真夜中の味

夜中に目が覚めた。
最初は寝たふりしてたんだけど、いつのまにかほんとにねてしまったみてーだな。
でも予定通りちゃんと起きた。

どあほーはと見ると、すげー間近に顔があった。
ぐーすか寝てやがる。
鼻をつまんでみると、眉を寄せて鼻をむずむずさせた。
やべっと思ったが、起きなかった。

よし。

そのまま起きあがって、オレは台所にいった。
電気がついてないのになんか明るい。
探すと窓の方から明かりがきてた。

「月明かりをなめたらいけねえぞ」

どあほーのせりふを思い出す。
そーいや今日は月がまんまるだったな。

ふーん…こういうことか。
なんにしても助かった。
おかげで手元がよく見える。

鍋・・いっぱいあるけど、たぶんこれだったとおもう。
音を立てないように細心のちゅーいを払いながら、鍋のふたを開ける。
つぶつぶが見えて、ふわって甘い匂いがした。
やっぱこの鍋だった。
おたまってやつで探してみる・・白い玉。
これだ、見つけた。
明日までって言われたけど・・・オレは今くいてーんだ。
すくって食べてみた。
すげーうま

「こらっ」

ぎくっとした。
振り返ったら、どあほーがシャツに手を突っ込んでぽりぽりかきながらつったっていた。
顔は、眠そうだった。よく見える。なるほど。

「月あかり」
「なーにが月明かりだ。おめーだけは・・明日までだめだってあんだけ言ったのに」

・・・どーしても食いたかったんだ。

テーマ:夜中にごそごそしているルカワ
2009/02/16