「おい、ラーメン何個、食・・」
う?と聞こうとしたところで固まった。
ルカワがいたんだ。
いや、いるのはいつものことなんだけど。
いつものように壁に寄りかかって、片膝立てて、もう一方の足は無造作に投げ出して、誰が持ってきたんだかわからねー雑誌を、 興味があるんだかないんだかな感じで眺めてる。
そして、おれが何事か話しかけたら、「あんだ?」という表情をして顔をあげて、黒い長めの前髪の間から、黒い目をのぞかせてじっと見てくるんだ。
いつものこと。
いつものことなんだけど。
今日はなんか、てめーが、絵のように・・・まるで絵のようにかっこよく見えたんだ。
「テメーとおんなじ数。」
「あ?」
「ラーメンだろ?テメーと同じ数だけ食う。」
絵のようにかっこいいくせに、口にしてる言葉は食うラーメンの数の話だ。
バカなキツネめ。
そんなにかっこいいクセして、おれとおんなじ数のラーメン食うだなんて言いやがって。
「・・・あんだよ。数が足りねーんなら、テメーよりちょびっとだけ少なくても許してやる。」
だから、ラーメンの話なんかすんなって。
そんなツラして。
絵のようにかっこいいオトコが。
ルカワ、テメーって、かっこいいんだなぁ
これは「はしれ」の連作の後に書きました。
「はしれ」がちょっと長くなって
流川くんを精神的に少々いたぶった反省があったのと、
流川くんは「かっこいいんだぞ」っていうのを「自分に」確認したくて(笑)
書いたのでしたー。