実家に帰ると犬がいた。 なんでおれんちに犬なんだ。「犬じゃねーかー!」 どあほうが大喜びしている。 「おい、キツネ!見てみろよ!大きくて黒でおめーみてえだぞ!ほらこいこい!ルカワ、ルカワ~!」 勝手に人の名前を付けんな。 「オーオーいい子だなー素直だなー。おめえと全くちがうな、人間ルカワよ。おー?ヨシヨシー」 耳の後ろんところをガシガシしてやりながら「ルカワルカワ」と呼んでいる。呼ばれた犬はずっとしっぽをパタパタいわせている。 「ほらルカワー。ワンって言ってみろ」 ちらっと見られて「おめえじゃねえし。」と言われた。 「お前、ほえないなぁー」 茶を持ってきたかーさんがそう教えた。 「そうかー、穏やかなのかお前。えらいぞー。そこんとこはオレに似てるな。ヨシヨシルカワー!後で散歩行こうな。ンー!」 流川はオレなのに。 おわり |